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韓国で共著が出版されました『韓日関係の軌跡と歴史認識』

  • 執筆者の写真: Masanobu Matsuura
    Masanobu Matsuura
  • 2020年10月1日
  • 読了時間: 2分

更新日:2020年10月2日

韓国で共著が出版されました。タイトルは『韓日関係の軌跡と歴史認識』(東北アジア歴史財団研究叢書110)。私は、最終章「歴史和解の条件とは何か?」を執筆しました。


日本とコリアの歴史認識問題というと「真の歴史観(錦の御旗)は自国にある」ため、「互いに絶対に譲歩できないイシュー」であると考えられがちです。ところが、政府間交渉の歴史を紐解くと、必ずしもそうではありませんでした。根本的な解決が難しいことに変わりはありませんが、歴史認識問題を「管理すること」に利害が一致する局面というのは、決して、少なくありません。


さらに興味深いことに、日本と「2つのコリア」との間では、歴史和解に向けた政府間合意が「日韓共同宣言」(小渕・金大中時代)と「日朝平壌宣言」(小泉・金正日時代)の「同一時期」に進展しました。これはなぜか?二ヶ国間ではなく、三ヵ国間にまで分析対象を広げてみると、これまで十分議論されてこなかった「歴史和解の条件」を炙り出せるのではないか、というのが今回の研究の狙いでした。


写真:本のカバー


率直に申し上げれば、東北アジア歴史財団に対する当初の認識は、韓国政府の御用団体のイメージでした。今回の共同研究が歴史認識問題であった点もそれを助長しましたが、ふたを開けてみると、研究については、なんら制約を受けることもなく、まったく自由に書かせていただきました。こうした国際共同研究の積み重ねが、冷静かつ大局的な日韓・日朝関係の議論につながれば嬉しいのですが。


 
 
 

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